2009年12月15日 東京新聞朝刊 経済面より
『家庭充電プリウス2011年に トヨタが市販』 という記事が掲載された。
要約は、従来からあるハイブリッド車の「プリウスをもとに、家庭の100V電源で充電できるタイプのプリウスを開発、当面特定の顧客向けにリース販売を開始する」 ということなのである。
読むと、まず揚足取りではあるが、「燃費はハイブリッド車プリウスの約1.9倍になる」 これは、1.9分の1のことであろう。記者の言語力、理解力が疑われる。
さらに読み進むと、
「電池での走行距離を23.4キロに伸ばした。充電残量がある間は電気自動車として、電池を使い果たしてもガソリンで走行でき、一リットル当たりの燃費はプリウスの30.4キロをしのぐ57キロに向上したという」 と伝聞形式で記している。 おそらくトヨタ自動車の発表を鵜呑みにして書いたのであろう。この記者は
充電してから走る自動車の燃費を燃料リットル当たりで表示してなんら疑問を持っていない。
この自動車を走らせるには電気代も含めなければ本当の燃費は比較できない。さらに、満充電で走行を開始した場合、初期のリットル当たりの走行距離は当然大きくなる、記事によれば最初の23.4Kmの間は燃料を全く使用しないではないか。
ちょっと計算を試みる
旧プリウスと比較して内燃機関の効率が急激に上昇したとは到底考えられないし、仮にそうであればそこに重点を置いた発表になることであろう。
新プリウスも燃料を使った走行においては旧プリウスと大きな差はないと考えて良いであろう。
旧プリウスの30.4km/L =0.03289・・L/Km に相当する
新プリウスは満充電後の23.4kmは燃料を使わずに走行するのであるから、発表された57km/1Lのうち57Km−23.4km=33.6Kmを燃料を消費して走行する。
この33.6kmの間にどれだけの燃料を消費するかを旧プリウスのデータで割ると なんと1.105Lと出る。
どうということはない、満充電後に走行開始して、最初の1リットルを消費するまでの燃費を発表しているのである。そうだとしても、充電に要する電力料が別に掛かっていることを記さないのは詐欺に近いことではないか。 我々にはこの車に充電するためにどれだけの電力が必要なのかは全く判らない。
トヨタも売るためにはこのような詐欺に近いことを平気でするようだ。短距離走行が多い使用方法であれば、燃料をほとんど消費しないで済む、そうすればこのまやかしの燃費よりもはるかに少ない燃費でこの車は使える。ただし、電力料がかかることは忘れてはいけない。
一方長距離を走る場合にはほとんど旧プリウスと変るところはないのである。おかしいと思わない記者、そしてこの記事をそのまま掲載させるデスクにもあきれたものである。
しかし、このような まやかし的エコ を蔓延させているマスコミがいかに多いか、これを読んで下さった皆様は十分に注意をして頂きたい。本当に何をすることが環境に必要なのか、良いのか を考察して記事にすることがマスコミの役目、そして我々は良く考察して正しい判断をすることが本当のエコロジーをもたらすことになる。
2007年9月11日 東京新聞 夕刊11面 「ライトアップ」より
『☆・・発電機のモーターで推進し、環境に優しい船「スーパーエコシップ・フェーズ1」が、石油タンカーとしては国内で初めて建造され、長崎県佐世保市の造船所で十一日行われた進水式で「なでしこ丸」と命名された=写真。
☆独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」と大阪市の海運会社が共同で建造し、全長約七十b。約七四九dで貨物積載量約二千`g。石油の国内運送に使われる。
☆ディーゼルエンジンの従来船に比べ、燃費がよく排ガスも少ない。省エネタイプのスクリューを採用し、二酸化炭素(CO2)の排出量も約10%カット。温暖化対策となるエコシップだけに関係業界への"エコー"(反響)も大きそう。』 以上記事引用おしまい。
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この記事を目にして、「記者は理解をしているのであろうか? 否、理解していればこんなことを書けるわけがない。 読者を馬鹿にした記事だと感じた。」
「発電機のモーターで推進し、環境に優しい船」 この表現、何を言いたいのやら。
電気を使っている=環境に優しい の等式を根拠も無く覚えこんで記事にしているのであろう。
そもそも「発電機のモーターで・・」 ってどういう理屈で、どういう仕組みで船を推進するのであろう? この矛盾に疑問も持たずに、いい加減な記事を公にしても平気なほど、能の無い記者がいることに驚く。 その記事を掲載するデスクも同程度の理解力しかないのであろう。
「従来船に比べ、燃費がよく排ガスも少ない」と記しているからには 減ったとしても排ガスは出るということであろう。 いや「☆発電機のモーター☆」だけで船が進むわけがない。 推進力のエネルギー源は何なのか。それをどのようにして(おそらくモーターに電力の形で)供給するから良いのかは全く説明が無い。 「省エネタイプのスクリュー」とは単に効率の良いスクリューであって、この船にだけ採用されているものではないと思われる。
「説明はできないけれど、電気で推進するんだからエコなのだ」記者も読者も余計なことは考えなくても構わない 決まってんじゃないか ・ ・ という構図なのであろう。義務教育で理解した知識だけでも、この表現がおかしいことは理解できるはずである。 さらに日々身の回りを観察し考察を重ねることが人生だと、自分は思っている。 この程度のことで 「文系だから ・ ・ 」とか「専門ではないから ・ ・ 」とかいうのはおかしい。
私が想像するには、この船がエコであるという理由はおそらく
ディーゼルエンジンで発電し、その電力をモーターに供給してスクリューを回しているのであろう。
電気モーターを使えばスクリューの回転制御は今日では電子的に自由に行える。 ということは内燃機関は最も効率の良い条件で運転し続けることができる。 内燃機関と発電機の関係も最善の設計を行える。 時に余った電力は蓄電池に充電しておき、必要な時に補助電源として使えば内燃機関の出力は小さいものにできる。 というあたりであろう。
記者はこれを読者に判りやすいように記事にするべきであった。この記事はかなりひどい例である。 考察のない記事で読者を煙に巻くようなことはしないで欲しい。
きちんとした理解もなく ダイオキシン騒動を喧伝したのも、塩化ビニルを悪玉にしたのもマスコミであった。
常に 考察すること 考察に基づいて、実のある省エネルギー、環境対策を 行うように心がけたい。
海水面を上昇させるのは もう一つ、新聞紙上であまりにも頻繁に目にすることである。
「地球温暖化によって南極と北極の氷が融けて海水面が上昇する・・・」というのである。
皆さんは疑問に思われませんか?
南極の氷は陸上にあるから、融ければ海水の総量が増えて地球の海水面が上がるであろう。 一方北極の氷が浮いていることは誰でも知っている。 浮いている氷は氷結するときに膨張した分比重が下がり、浮力を得ている。その水中体積は何ら変化していない。 ということは北極の氷が融けたところで海水面には何ら影響を与えない というのが正解であろう。
私立中学の入試に出てもおかしくないほどの簡単な理科の問題である。思考を停止した記者たちのおざなりな記事に翻弄されてはいけない。
このような記事を見ると新聞報道そのものの信頼に疑問を覚えることになる。情報は問合せのページへ。
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